観光名所の百貨店にはフェムテックの常設コーナーも誕生
〜パリで見たフェムテックの今をレポート④〜

パリレポート④では、前回に続いて百貨店で見かけたフェムテック関連売り場について、お届けします。

今回訪れたのは、世界最大規模の百貨店である「ギャラリー・ラファイエット」。アール・ヌーヴォーを象徴するドーム型の天井は何度見ても美しく、パリの観光名所でもあります。

2021年には古着や名だたるブランドのヴィンテージウェアの売り場を常設(しかもかなり広い!)するなど、新しい百貨店像に挑戦している同店。2022年7月にウェルネス・ビューティフロアを地下1階に移転・増設し、そこでフェムテックアイテムが取り扱われていました。

ビューティからフェムテックまで併設

「ギャラリー・ラファイエット」はパリにいくつかある百貨店の中でも、最も観光客が多いスポットです。空港から直結のロワシー・バスの停車駅であり、パリを代表する観光名所のオペラ座の真横に位置するという好立地。私も今回の滞在では空港からパリについて、真っ先にここへ向かいました。
前回取り上げた「ル・ボン・マルシェ」がクラシックなら、「ギャラリー・ラファイエット」はモダンといった感じでしょうか。よりトレンドを意識したアイテムや世界中から訪れる観光客を飽きさせないアイテムが並んでいます。


そんな「ギャラリー・ラファイエット」なので、フェムテックの常設ブースができるのも納得。美容製品をお土産感覚で買うことができるアイテムから、あまり目にしないニッチなグッズまで幅広く取り扱われています。
フェムテックアイテムが置いてあるのは、スキンケアやヘアケアなどのアイテムがセレクトされているブース。ジャンルは前回取り上げた「​​gapianne.」と同じく月経からマタニティ、更年期までさまざまあります。ブランドごとに分かれているのではなく、カテゴリごとに陳列されているのが特徴。

日本では見られないアイテムも

じっくり見ていて、中でも気になったアイテムは中段の「talm」。ファッショナブルなヴィジュアルで思わず手に取ってしまいました。

「talm」はエルメスやハイセンスなコスメプロダクトを展開するバイレードで経験を積んだKenza Kellerが、2020年に立ち上げたマタニティ・ヘルスケアブランド。妊娠前後で安心して使える製品が見つからなかった自身の経験をもとに、産後の抜け毛にアプローチするサプリメントや妊娠線予防のオーガニックバームなどを展開しています。
日本でもマタニティ向けプロダクトは出ていますが、産後の抜け毛にアプローチするものはあまりないので、ぜひ上陸してほしい……!


セルフプレジャーコーナーもしっかりとありました。触り心地や動作を確かめることもできるので、「インターネットで気になっていたものの実物に出会えた!」なんてこともありそうです。

日本でも取り扱いのある「ウーマナイザー」も、多くの種類が展開されています。アイテムの横にはVIOケアバームの「BAUBO」が並んでいて、どちらもセルフケアの文脈というのが陳列からも見てとれます。


パリで見たフェムテックの今をレポート③


他には瞑想系のアイテムやお香、ヒーリングの天然石など、メンタルヘルスに関係するような製品も数多くラインナップ。特にヒーリング目的の天然石のカッサやステッキ、アクセサリーや置物などはこの売り場以外にも多く見かけ、パリでトレンドになっているのを感じました。女性のボディをかたどった官能的なシルエットのキャンドルは、お土産にもおすすめ。

日本の百貨店も数年前に比べたらだいぶフェムテックのアイテムを取り扱うようになりましたが、まだまだ製品の幅や展開数は、女性の悩みをカバーしきれているとは言えません。今後はパリで見かけたこれらのお店のように、0才から100歳まで使えるアイテムが揃うような売り場になることを期待しています。

次回は、実際にパリで購入したアイテムについてレポートします!