スーパーでも圧巻の品揃え!
フェムテックが身近にある街
〜パリで見たフェムテックの今をレポート①〜

日本でもすっかり浸透してきた言葉「フェムテック」。その誕生は、さかのぼること10年前。月経管理アプリを開発するドイツ発のベンチャー企業「Clue」のCEOが造った言葉とされています。 当時はまだまだ女性の健康課題に関するビジネスへの出資を募ろうとしても、投資家が男性ばかりだったため、相手にしてもらえないことが多かったといいます。そこで、よりわかりやすくカテゴライズしたら、市場として認識され、拡大することができるのではないかと考え、「female」と「technology」を掛け合わせた「femtech」という言葉が生まれたのです。

現在では日本国内でも多くのメディアが取り上げ、ベンチャー、大手問わず、さまざまな企業がビジネスとして参入するなど、フェムテックというカテゴリーは珍しいものではなくなってきました。

そこで、他国では一体どのように生活に浸透しているのか? 3年半ぶりに訪れたフランス・パリの現状をリサーチしてきました。

※フェムテックとは厳密に言うとテクノロジーを活用した製品・サービスのこと。ここではサニタリー製品を含めたフェムケアのカテゴリーにまで広げてお伝えします。

身近にあって、豊富に選べる

まず訪れたのは、宿泊場所の近くにあった比較的大きなショッピングセンター内のスーパー。 そもそも欧州のスーパーは日本と比べ物にならないくらい大規模ですが、こちらは圧巻の品揃え。早速サニタリー用品売り場に行くと、徒競走ができるのではというほど長い陳列棚に、タンポンから月経カップ、吸水ショーツまでさまざまな製品がずらり。

日本ではスーパーのサニタリー用品売り場で月経カップや吸水ショーツを見かけることはまだ少ないですが、パリではサイズからデザインまで選び放題。もちろん大きなスーパーということもありますが、規模が小さめのスーパーでも取り扱いされているのを目にしました。 吸水ショーツは10〜20€(約1450〜2900円)台とそこまで高くはなく、デイリーに取り入れられる価格帯です。
生理用ナプキンの種類も多く、自分が心地よいと思うスタイルで月経期間を過ごせるよう、選択肢が豊富に用意されている印象でした。

また、フランスのショップではBIO=オーガニック製品は食品、化粧品問わず必ずと言っていいほど並んでおり、吸水ショーツやデリケートゾーン用ソープにもBIO製品が。
吸水ショーツは、日本製の製品ではあまり見かけないTバックタイプもあり、XXLといった豊富なサイズ展開も魅力。
ちなみに、フランスではデリケートゾーンのケアは当たり前のように行われているので、ソープだけではなくデオドラント製品も充実しています。デリケートゾーン用のデオドラントは日本ではあまり馴染みがありませんが、湯船に浸かる習慣のないフランスではポピュラーなアイテムです。

そして、日本では挿入に対する不安感などから利用者がまだまだ少ないタンポンも、フランスではこの品揃えの多さ!  オーガニックコットンを使用、経血量に対応したサイズなど、幅広く取り揃えられています。
実はフランスでも、まだ生理用ナプキンを使用する人の割合が多いのですが、タンポンもその次の選択肢として普及しているようです。
写真にある「TAMPAX」は、1931年にアメリカで誕生した老舗のタンポンメーカー。フランスではTVやweb CMも展開していて、多くの人々に親しまれています。

生理用のアイテムの横に陳列されていて驚いたのは、こちらのアイテム。スウェーデンのサニタリー用品ブランド「TENA」の失禁用紙オムツです。女性用はスタイリッシュなパッケージで、尿もれ用の製品とは思えないほど。そして隣には男性用の失禁用パッドも並べられています。
日本ではあまり男性向けのサニタリーアイテムやケア用品を意識して見たことがなかったのですが、パリでは種類が多くて目に入るのか、女性用の隣に陳列されていることが多いように感じました。これなら違う性の商品を買いに来ても、気まずくなったりしなさそう。
「TENA」や「TAMPAX」はオンラインサイトでも購入可能。もし気になったアイテムがあれば、試してみてはいかがでしょうか。

次回は、セクシャルウェルネスに関するアイテムを扱う、パリのラブストアについてレポートします!