妊娠・出産から更年期ケアまで!
老舗百貨店でフェムテック売り場を発見
〜パリで見たフェムテックの今をレポート③〜

パリレポート③では、百貨店で見かけたフェムテック関連売り場についてお届けします。パリに行くたびに市内にある百貨店を巡るのが大好きなのですが、その理由は世界最先端の売り場を見ることができるから。パリはファッションの街なのでファッションに関する情報はもちろん、ビューティやヘルスケア、そして最近はSDGsに関することも、一歩も二歩も先に行った売り場づくりがされています。

日本では2019年11月に大丸梅田店にオープンしたゾーン「michi kake」を筆頭に、伊勢丹新宿店のビューティアポセカリーなど、売り場の一角でフェムテックに関するアイテムを見かけるようになりました。では、パリの百貨店のフェムテック事情はどうなっているのか、見ていきましょう。

年齢を問わないフェムテックアイテムが盛りだくさん!

まず訪れたのは、個人的に最も好きな百貨店といっても過言ではない「ル・ボン・マルシェ」。1852年に開業した世界初の百貨店といわれています。1984年にはルイ・ヴィトンやディオールなどを有する企業のLVMHの傘下に入り、ラグジュアリーブランドから新進気鋭のブランドまでを取り揃える老舗百貨店として知られています。

個人的な印象としては、どの百貨店よりも品揃えがユニーク。今売れているものはもちろん、これから飛び立つだろうブランドも取り揃えており、キュレーション力はパリの百貨店の中でも随一だと思っています。


そんなボン・マルシェでまず初めに発見したのは、フェムテックアイテムのセレクトショップ「​​gapianne.」のポップアップストア。生理や出産、更年期などは人口の半分が直面する可能性のある悩みなのに、それを快適にする製品がないことに疑問を感じた、4人の女性起業家が2021年に設立したブランドです。


店内には月経カップや吸水ショーツといった日本でも馴染みのあるアイテムに加え、最近日本でも市場として盛り上がってきたメノポーズ=更年期に関するアイテムも。ホットフラッシュを軽減するサプリや、CBDを配合した快眠ハーブティーなど、更年期に関する悩みにアプローチするものが並びます。


マタニティケアは持ち運び用のウォシュレット(緑色のボトル)のほか、助産師が手がけた会陰マッサージ用のオイル、吸水パッド付きの授乳用ブラジャーなどがラインナップ。どれもパッケージがおしゃれで、これなら洗面所やトイレなどに置いていても気分が上がりそう!

ポップアップストアは2023年4月で終了してしまいましたが、公式オンラインストアは日本へのシッピングも行っているようです。

斬新な陳列に思わず足が止まる


そしてボン・マルシェのリサーチを続けていたら、日本でも人気のアムステルダム発ランジェリーブランド「LOVE STORIES」のポップアップストアを発見!

インスタグラムでの発信ヴィジュアルが本当に可愛くてセンシュアルで、投稿を見かけるたびにドキドキしていました。

可愛いな〜と思い見ていると、バスローブやキャンドルといったライフスタイル製品、そして筋トレグッズやサプリメントといったヘルスケア製品と並んで、セルフプレジャーグッズが置いてあるではありませんか!

まさにブランドが何をウェルネスと位置付けているのかが、ひと目でわかるラインナップ。一昔前だったらここにセルフプレジャーグッズが並ぶことはなかったので、時代が変わったなと感じた瞬間でした。

「ル・ボン・マルシェ」は観光客も多いですが、巨大な食料品館も併設しており、地元民にも愛されている印象。世界最古といわれる場所だからこその安心感や、いつでも迎え入れてくれるような親近感があるように感じます。だからこそ、普段フェムテックに馴染みがない人でも「ここならば」と安心して製品を手に取ることができるのかなと思いました。

次回は、同じくパリで人気の百貨店「ギャラリー・ラファイエット」で見たフェムテックの売り場についてレポートします!